小説

先生達の秘密の授業

第31話

「みんなのおかげで犯人を捕まえることが出来ました。本当にありがとう……では、乾杯!」「お疲れ様でーす!」俺の挨拶とともに、みんなで缶ビールを合わせて一気にあおる。無事に、写真回収と理事長への報告を終えた俺達は明日から休みなこともあり、事件解決のお祝いをすることにした。
乙女な女王様

女王様を救出・3

ドォォン!今までで一番大きな音をたてて、扉が生徒会室内へと倒れていく。勢いでドアと一緒に中へと倒れそうになった千歳達を、和彦が支えてくれた。「優弥、大丈夫か!」倒れたドアを踏み越えて、千歳が室内へと入ると机の上に押し倒されている優弥の姿が目に入ってきた。
先生達の秘密の授業

第30話

俺の写真だけかと思っていたのに……この前の陽愛くんとの写真みたいのが、他にもまだあるってことなのか?もし、そんなものが公開されたら、俺だけじゃなくてみんなにも……。俺の嫌な予感は、当然用務員の考えの中に含まれていたらしい。
乙女な女王様

女王様を救出・2

「なぁ……和彦」「何だ?」生徒会室へと走りながら、千歳は和彦に声をかけた。「さっきお前が言ってた『女王様の噂』って……嘘なのか?」千歳は複雑な想いで、和彦にそう聞いた。あの噂が嘘だとしたら、嬉しい気持ちが少しと……。
先生達の秘密の授業

第29話

そんな俺達の様子を見ていた用務員が、涼介に腕を押さえられ少し苦しそうに言った。「なんで……お前らがここに」「そりゃあ、あんたの正体を押さえるためにだよ……ストーカーさん」そう言うと、オキは今までに見つかった俺の隠し撮り写真を机の上へと放り投げた。
先生達の秘密の授業

第28話

明日から週末の休みを控えている放課後、俺は一人で世界史準備室である人を待っていた。昼間のうちに相談したいことがあるからと呼び出しておいたのだ。その相手を少し緊張しながら待っていると、ドアがノックされる。「土方先生、いますか?」「どうぞ、開いてます」
乙女な女王様

女王様を救出・1

「千歳! ヤバいぞ」帰り支度を終えたばかりの千歳に、和彦は教室に戻ってくるなりそう叫んだ。和彦がここまで慌てるなんて珍しいと、千歳は僅かながらに驚く。「何がヤバいんだよ。亮太は? 一緒じゃなかった……」千歳の言葉を遮って、和彦が怒鳴った。
先生達の秘密の授業

第27話

混乱する頭で必死に理性を保とうとしているのに、今度は春樹が俺の耳元で囁いた。「雪ちゃん、こっち向いて」普段、聞いたことのない色っぽいその声に俺が素直に従ってしまうと、目の前には春樹の顔があった。そして、そのまま春樹の唇が俺へと重なってきた。
先生達の秘密の授業

第26話

「こ、こんな台詞を言わなきゃいけないの? 俺が?」そろそろ週末間近を控えたある日の夜、俺は自分のベッドへと腰掛け、オキから渡された簡易的な台本らしきものを手にみんなへとそう問いかけていた。「雪ちゃんが言わなくて誰が言うんです?」
乙女な女王様

女王様、傷心・3 ※

「ふーん……なら、仕方ないか。じゃあ、唇以外にね」そう言って、相馬は優弥の頬や首筋へと唇を寄せてきた。(別にキスが嫌いなわけじゃないけど……)千歳には数え切れないくらいキスさせていたし、自分から仕掛けていったことだってある。でも、なんとなく相馬とはキスをしたくなかったのだ。