乙女な女王様

女王様の初恋 ~優弥サイド~ ※

『保健室』それだけを打ち込んだスマホ画面を、優弥は再度確認した。 そして、ゆっくりと両手の親指で送信を押す。『送信完了しました』その文字に、だんだんと優弥の鼓動が速くなってくる。もうすぐここに、ミルクティーを持って彼がやってくるはず。
先生達の秘密の授業

第14話 

「なあ、最近、なんや変な写真が出回ってるみたいやけど大丈夫なん?」Tシャツの打ち合わせで授業の合間に涼介のもとへと訪れて春樹のクラスに来ていると、そこの生徒である朱雀院南朋がそう聞いてきた。「なんのこと?」
先生達の秘密の授業

第13話 

「いい加減、虎ちゃんも軽音部に行かへんと南朋くんキレてまうで」 その武井の言葉に、俺は虎が軽音部だということを思い出した。 そうだよ、最近俺の周りばっかりついて回ってたけど、部活サボってたのか。「虎、お前も文化祭に部活でも参加するんだろ?
先生達の秘密の授業

第12話

 それから数日後、オキの企画に協力した生徒達が本格的に動き出したようで、今までは家庭科部の作った衣装で写真を撮るだけだったのに、今では校内のどこでも撮影会が行われていた。 そんな中、今日も昼休みに職員室にいた俺達の周りには写真部員達がシャッターチャンスを狙って待機していた。
乙女な女王様

女王様へのご奉仕・3 ※

「う、ん……」 小さく声を漏らした優弥は、慣れない感覚に強く目を閉じて耐えていた。 半分くらいまで入ったところで、優弥は動きを止めて呼吸を整えている。「休憩するには……早いんじゃないの?」「えっ、あ……ああっ!」 優弥の口から大きな喘ぎが漏れる。
乙女な女王様

女王様へのご奉仕・2 ※

 千歳が初めて優弥を見たのは中等部一年の春だった。 そのころの優弥は、まだ女王様とは呼ばれていなくて、むしろ背も低く女の子のような可愛らしい顔のどこか守ってあげたくなるようなタイプだった。 薄桃色の桜の中に立っていた優弥に目を奪われた千歳は、自販機のボタンを押し間違えるほどの衝撃を受けた。
先生達の秘密の授業

第11話

「あ、そうだ、これ! 陽愛くんがデザインしたTシャツの試作品」「おお……さすが涼、仕事早いな~」 ちょっとわざとらしかったかなと心配したけれど、そんなことは気にしていないのか陽愛くんが興味深そうにTシャツを覗きこんだ。「どこか気になる箇所があったら言ってくれだって。涼介が手を加えるみたいだよ」
お知らせ

「乙女な女王様」公開開始しました

イケメン眼鏡くん×美人生徒会長の主従関係のような始まり方をする「乙女な女王様」が公開開始になりました。このお話はたぶん、私が書いた初めてのオリジナルBL作品だと思います。10年以上も前に書いたものなので、多少は内容を現代風に手直ししましたが、
乙女な女王様

女王様へのご奉仕 ~千歳サイド~

「またか」 高瀬千歳は届いたばかりのメールを見終えると携帯を閉じた。「千歳、何がまたなんだよ?」 千歳の呟きが聞こえたのか、今年、中等部から高等部に進学して初めて同じクラスになった瀬戸亮太が聞いてきた。「愛しのラブコール」
先生達の秘密の授業

第10話

いつも自信ありそうな態度のくせに、そんなことで落ち込むなんて……涼介は馬鹿だ。 お前が素直に甘えてこないことなんてわかりきってるのに、そんな些細なことで悩むなんてお前だって昔のまま変わってない。「そうやって悩むお前も……充分可愛いよ」